第31回日本思春期学会総会・学術集会のご案内

医療法人清和会いえさか産婦人科医院(群馬県前橋市)家坂 清子

 

 

 

「思春期の危機に迫る」をテーマに開催第31回日本思春期学会総会・学術集会は今年9月1日(土)・2日(日)、長野県軽井沢町の軽井沢プリンスホテルウエストで開かれます。

私は2年前、この開催を「ぐんま思春期研究会会長」として引き受けました。当研究会は草の根運動的に性教育に取り組んできた弱小民間団体です。私自身も市井の、一介の産婦人科開業医にすぎません。ですから、会長を依頼された時には「なぜ、私たちが?」という戸惑いと困惑がありました。

でも、「草の根運動だからこそ、その活動から生まれたものを現して欲しい。それが我々の勇気になる」という性教育仲間たちの推薦の言葉が、私の背を押しました。

以来1年半。ようやく今、大会の概要を皆さんにお伝えすることが出来るところまで辿り着きました。


メインテーマは〝思春期の危機に迫る〟

私たちは皆、毎日、思春期世代と向き合い、格闘し、抱きしめながら暮らしています。でも、彼らが抱えるストレスは時代とともに大きく変化していますから、その苦悩を理解することは至難の技でもあり、私たち大人自身も深く思い悩んでいます。

そこで、彼らの苦悩の核心と背景を俯瞰する「友だち地獄―『空気を読む』世代のサバイバル」を基調講演として位置づけました。さらに各論的な教育講演として、ストレスフルな生活や成長の過程で生まれる諸問題のうち「不登校・引きこもり」、「自傷行為」、「性同一性障害」を、そして密室の犯罪とも呼ばれる「性虐待」を取り上げることにしました。これらを同時に、基礎から学ぶことができる貴重なチャンスでしょう。

女性の性を学ぶための特別講演は「女性の健康と思春期」。二次性徴での問題は将来にどう響くのか。ダイエットは? 過激なスポーツは? 若年妊娠は? 続くシンポジウムでは「思春期から伝えたい7つのポイント―ライフプラン/身体のしくみ/月経不順・ダイエット/月経困難症/妊娠・出産・避妊/性感染/子宮頸がん検診・HPVワクチン」。

男子の性については「男の子と語ろう in Web」。Webを通して、会場での大人たちのシンポジウムに男の子たちの本音をリアルタイムで届けようという企画です。

そして「学校性教育を応援しよう」。効果的な性教育を行うために、外部講師として依頼する側もされる側も、学習指導要領をどう乗り越えればよいのか。性教育の機会を増やすために非常に現実的で、重要な課題です。

また、皆さんに楽しんでいただくための特別企画も待っています。


コテージ・ディスカッション

通常、参加者の多くは聴衆、つまり聞く側の立場です。でも、参加者は日常的に思春期に関わっているプロですから、言いたいこともたくさんあることでしょう。そこで「是非、話す側にも廻っていただきたい」というのが企画のねらいです。参加者10人のコテージを10棟分用意しました。各コテージが掲げるテーマから興味のあるものを選んで申し込んでください。

今大会ではイブニングセミナー(7時15分に終了)で夕食が提供されますので、その後はホテルの敷地内に点在するコテージでデザートを楽しみながら、よりカジュアルなディスカッションをお楽しみください。


コンドームショップ

会場のホワイエ(講演会場前の広い廊下)に、楽しく素敵なコンドームショップがお目見えします。

私たちは、どこに行っても「コンドームを使おう」と呼び掛ける立場ですが、そんな時にユーモア溢れる、かわいらしいコンドームの数々がもたらす効果は抜群です。若者気分でワイワイとミニショッピングをお楽しみください。

さて、最後に。実は、このホテルの敷地内には全国有数のアウトレットが存在します。こちらは本格的な大ショッピングモールです。主催者である私たちにとっては、これが最大のライバルなのです。

この魅力に打ち勝てるように! これからも軽井沢の夏に向けて、着々と準備を進めていきたいと思っております。

皆さんのご参加をお待ち申し上げます。

 

【略歴】

昭和49年群馬大学医学部卒。群馬大学付属病院産婦人科教室入局。以後、前橋赤十字病院などの勤務を経て、いえさか産婦人科医院を開業。現在、群馬県青少年健全育成審議会会長、ぐんま思春期研究会会長など。今年9月に開催される第31回日本思春期学会総会・学術集会会長を務める。